真理の織り手

魔導の黎明 (創元推理文庫)
魔導の黎明 (創元推理文庫)
シリーズ完結編でした。

第1回創元ファンタジイ新人賞のノミネート作で一番面白いなあと思えた作品で、続刊のペースも他のお二方より早く、刊行を楽しみにしておりました。
ただ一気に読み過ぎて、登場人物の名前や話の細部があまり頭に残っていないのよね、実は。登場人物がほとんど過去作のキャラクターだったりするはずなのだけど、どうにも覚えていないことが多く。だから機を見て1巻から読み返したい。

ちょっとほろりときたのは、この巻の最後の場面で1巻に出てきた主人公の弟子の魔導士を登場させてくれた所。
そういえばこの二人は別れの場面以降一度も互いの消息を知ることなくここに至ったのだな、ということに気がついて(1巻をちょっと読み返した)、よくこのタイミングで巡り合わせてくれた! と思うことしきりでした。

新人賞のノミネート作品で一番個人的ヒットだったなあと思った理由は、一つは他の2作が

  • 和風ファンタジーはそこまで……
  • 特別賞のは面白かったけどちょっと癖が強い(こっちは続刊も継続してちゃんと読んだし次出たらまた買うけどね。ていうかシリーズものかよ! って思ったのはちょっと内緒)

という理由がまず一つで、もう一つはこの作品の魔法や舞台の設定がなんだかヴァルデマール年代記に似てるなあと思った所(パクってるとかそういう話ではない。著者が影響を受けた作品の中には挙がってきていないし、書評にもそういう内容がないから思っているのは自分だけかもしれない)。あっちはフェミ要素が強いけどそこからフェミを抜いたほどよい感じの作風だなあと思っていたのです。

  

また著者の別のシリーズの作品が刊行されたら、買って読んでみようと思います。